昨日、「交渉人」の話を書いたので、今日は「公証人」の話を。
公証人って、どれくらいの人知っているかなあ?僕も法律の仕事するまでよく知らなかったんだよね。
とにかく、公証人って言うのは、法律関係の仕事の中で、一番素敵な仕事だと思います。はっきり言って弁護士なんかより、
ぜんぜん良いです。
で、具体的な仕事の内容はというと、公正証書(その他重要事項を証明することのできる証書)を作成することです。
で、公正証書というのは何なのかというと、その証書の内容が裁判の判決と同様のものを持つといった、とてもすごいものなのです。
で、裁判の判決と同様の効果を持つ証書が、どのくらいすごいものなのかと言うと・・・
例えば、普通の借金の証文を作ったとします。お金を貸し借りしたときに、いくら借りたとか、いつ返すとか、そんなものを書いて、記名、
捺印して残しとくもんですね。これは、これで、お金を貸し借りしたという重要な証明になります。動かぬ証拠です。これが、あれば、
お金を借りたか借りてないかの裁判になっても、そんなに問題は起こりにくいでしょう。
ただ、普通の借金の証文だと、裁判を起こして、勝訴しないと、実際に差し押さえだの、
お金を取り立てるための手段を実行できないわけです。
公正証書のすごいところは、裁判を起こさなくても、差し押さえとか、強制執行とかして、お金を取り立てることができるんです。
この違い大きいと思いませんか?
だから、財産分与だの重要なことの取り決めをするときには、公正証書をよく作るんです。
でねー、多分、そんなのは誰でも簡単に作れますよ。弁護士とかに頼まなくてもね。公証人は公証役場というところにいるので、
公証役場に電話して、「これこれこういう書類を作りたいんですけど?」と言えばいいんです。公証役場って言うのは、
大体裁判所の近くにあります。「役場」って言っても国とか自治体とかの施設ではありません。単にそういう名称なだけ。
だから、ちょっとした約束とかでも、お金が絡むような約束をするときには、公正証書作ったほうがいいと思います。
費用は5万もかからないと思います。弁護士に頼んだら、何十万もする内容でもね。
そんで、公証人は一生懸命、書類を作って、頑張っているのかというと、そうじゃないんだな。彼らは、立派な机に悠然と座り、
事務スタッフから差し出された公正証書に、ぽんとハンコを押すだけ。素敵過ぎます。まあ、
日本全国の公証役場にいったことがあるわけじゃないから分からないんだけど、大体そうなっているんじゃないかな?
で、公証人試験なんてものはありません。参考書読んで一生懸命頑張ればなれる職業ではありません。大体、
裁判官とか検察官とかが退職したあとになります。結局は、役人法律家の天下り先です。だから、司法試験に受かって、裁判官なり、
検察官に任官すれば、なれるかもしれませんね。
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